アクセス解析もブロックされる時代:Google Analyticsも 広告ブロック機能の回避は難しい[対処法]

現状、ユーザーのブラウザなどに広告ブロックの拡張機能(アドオン)が導入されていると、ほぼどの環境でもWeb広告だけでなくアクセス解析用のJavaScriptファイルなどのURLも確実にブロックされ、有名なGoogle Analyticsでさえも例外ではない(というより真っ先にカットされる)。

広告ブロック機能の導入率は10~30%といわれており、これはすなわちアクセス解析上のデータもそれだけ実数より少なくなってしまっていることを意味する。

サイト運営者にとってはつらいところだが、ユーザーのプライバシー保護を強化しようとする現在の世界的な流れを考えると、この傾向は収まるどころか今後ますます加速するだろう。

EUではcookieの付与でさえオプトイン方式(ユーザーの明示的な許可が必要)になったくらいなので、今後はアクセス解析もさらに厳しい状況になっていくと思われる。

ブロックされるアクセス解析

特定のファイルを読み込む≒URLを指定するタイプのアクセス解析は簡単にブロックできてしまうので、サービスや環境を問わず基本的にすべてブロックされると考えたほうがいい。

Google Analytics
WordPress JetPackアクセス解析(米国Automattic社)
忍者アクセス解析
FC2 アクセス解析
i2i.jp
etc.

ブロックするブラウザ・拡張機能・フィルターリスト

uBlock Origin(デフォルトの状態でほぼ確実にブロック)
Adblock Plus
Vivaldi Browser
etc.

*リストも、主要なものではアクセス解析関連も大半がブロック対象になっている

対策

あくまでユーザー側の環境しだいであるので、結局はほとんどどうすることもできない。

一部では広告ブロックに対する警告表示などもされているが、アクセス解析のためにそこまでするのはいくらなんでも行き過ぎだろう。

Google Analyticsや忍者アクセス解析など外部サービスを利用する場合は、そのためのスクリプトやタグを狙い撃ちされたらどうしようもないため、正確なアクセスログをどうしても取りたい場合は基本的に自分のサーバーにアクセス解析のシステムを直接導入する必要がある。

Matomo

【画像】Matomoの公式サイト(スクリーンショット)

今のところ、一定以上の知名度があって安定して動き、かつ開発が継続されている無料のものはおそらくこれだけ。

以前は「Piwik」という名称だった。

公式サイトは英語のみだが、アクセス解析の管理画面は日本語化することが可能。

オープンソースで開発されており、運営は「Google Analyticsの代替」と謳っている。

プログラミング言語はPHPなので、WordPressに簡単に組み込むこともできる。

Google Analyticsとは異なり、raw data、つまり生のデータにアクセスできるので訪問者のIPアドレスをチェックすることも可能。

クラウド版も用意されているが、こちらは有料。

Google Analyticsなどと同じように特定のトラッキングコードを埋め込む方法だけでなく、PHPのコードを使ってサーバーにアクセスした時点でログもとる方法も用意されている。

後者は程度の差こそあれ確実に遅くなるが、前者のように広告ブロックで止められてしまうリスクがまったくない。

デメリット

専用のサーバーを必要とし、仮にWebサイト用のサーバーと同じものを使うとなると、状況によってはWebページの表示が遅くなってしまうリスクがある。

また、当然ながらアクセス解析の管理も自分(自社)でしなければならないため、そのコストと時間が余計にかかるだろう。

そもそも、HTMLに埋め込むためのタグやスクリプトファイルの名称を変えられるものでないと、どのみちGoogle Analyticsなどと同じくブロックされてしまうのであえてやる意味がないという面も。

結局、有名なアクセス解析システムほど多機能で信頼性が高いが、知名度が高いほどブロックされやすいという、どうしようもないジレンマがある。

補足

【そもそも正確なアクセス解析は必要?】

一度立ち止まってみて、そもそも“正確なアクセス解析が必要か”と自身に問い直してみる必要がある。

ほとんどの場合、アクセス解析は自サイトの訪問者に関する全体の傾向を把握するためであって、学術的な厳密さを追求するためではないはず。

であるならば、たとえ広告ブロックされる30%前後のデータが欠落しても特に大きな問題はないはずだ。

表示される広告によって運営されるサイトの場合は特に、広告が正常に掲載されたときのユーザーの行動を知りたいわけで、逆に広告を非表示にしているユーザーの動向を把握してもあまり意味はないと思われる。

顧客にならない=ビジネスにならない人を相手にしていても無駄になることが多いからだ。

それ以外にも、セキュリティのためならば必要なのはアクセス解析よりも統合セキュリティ環境(セキュリティソフト)のほう。

ビッグデータが欲しい企業は別のシステムを導入するだろうし、一方で個人や中小企業の場合は細かいデータをあまり必要としないだろう。

それに今後は、プライバシー保護の重視やそれによるブラウザのセキュリティ機能の強化によって、アクセス解析のレベルであっても訪問者の細かい行動追跡は不可能になる部分が多くなると思われる。

どうしても正確なデータが必要な場合は、上記のように自サーバーにアクセス解析ソフトを組み込めばいい話なのであまり深く考えなくてもいいのでは。