Monthly Archives for 11月 2015

[つばさ 第二部] 第三章 第四節

 雲行きが怪しくなっていた。  空の低いところに厚く雲がたれ込め、太陽の光を深く遮った。  風は湿り気を帯び、鳥たちの姿は上空から消えた。 「これは一雨来るな」  翼人のこういった時の感覚が外れることはない。雲が出ても雨 … Continue reading

2015 年 11 月 20 日 by
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[つばさ 第二部] 第三章 第三節

 晩春の朝霧は深く、陽光の遮られた森の奥まではとても見通せない。しかし、野生の生命の目覚めは早く、活力に満ちた嘶(いなな)きを未だ暗闇に包まれた森陰に響かせる。  そんな儚くも力強い息吹を感じさせる空気の中に、ややもする … Continue reading

2015 年 11 月 13 日 by
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[つばさ 第二部] 第三章 第二節

「憂鬱なことだ」  つぶやいてから、しまった、と思う。たとえ事実そうなのだとしても、口に出しては余計につらくなるではないか。  フェリクスは簡単に身支度を整えながら、父から譲り受けた剣を手に取った。 「文句を言ってばかり … Continue reading

2015 年 11 月 3 日 by
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